LOLサーバー”終点”


 2023-09-18
×0
夢から覚めるとき君はLOLをやっている。 寒空の下、悴んだ指を擦りながら君はキーボードを叩く。 埃まみれの四畳半のボロアパートでパソコンだけが光っている。 キッチンに溜め込んだ食器にはコバエがたかり、生ゴミの乾いた嫌な匂いが漂う。 視界がぼやける。濁った下水に沈んでいく感覚。淀んだ空気に思考が鈍る。 「俺は何者だ。一体何をしている?」 未開封の請求書、書きかけの履歴書、実家からの着信、家賃の催促。 背後から迫るのは、焦燥と後ろめたさか。 すでに冷え切った缶コーヒーを一口飲んで、君はつぶやいた。 まだ夢を見ていたいー。 ”終点にて待つ” 誰かがそう囁くと、君は朝日の漏れ出すカーテンを閉め、再びマウスを握った。 夢はまだ終わらない。
32 日前

サーバーメンバー

レビュー投稿

サーバーに参加しているとレビューを投稿できます!